自慰行為の生殖能力.生殖器に及ぼす影響
前項でも述べたように、自慰行為は人体の健康に多大な悪影響を及ぼすことが分かっている。
その中でも、特に重大な影響を与えるのが生殖能力に対してである。
男性
まず、自慰行為による過度の射精が無精子症に繋がる危険性について説明しよう。
精子は生殖細胞から分化して生産されており、生殖細胞が有限である限り、生涯での精子生産数は自ずから決まってくる。これは自慰行為による射精回数が直接精子消費量に結びつくことを意味するのではない。射精頻度が増加すると射精1回あたりの精子数が減少する。すると人体は一定以上の精子数を確保するため、精子の生産速度を高める。その結果生殖細胞の消耗が速くなってしまうのである。精子の生産速度増大のメカニズムは分かっていないが、自慰行為により性ホルモンの分泌が活性化されることが一因と考えられている。
次に、自慰行為がインポテンツ、早漏の原因となることを指摘しておく。
前項で述べたとおり自慰行為は強い妄想を伴うが、慢性的な妄想は性的刺激に対する感受性を異常化させることがある。つまり性的刺激に対する感受性が鈍化してしまい、性交時に勃起しないインポテンツ症を発症するのである。
一方それとは全く逆に、早漏の症状を示すこともある。これは日常的に妄想しているため、わずかな性的刺激だけで妄想が増幅し、過度に性的興奮が高まることが原因と言われている。また、自慰行為で繰り返される「摩擦刺激すなわち射精」というサイクルが、一種の条件反射となっているという説もある。
女性
外面的な影響としては、性器の着色と変形がある。
以前より広く知られていることだが、自慰行為の摩擦刺激は皮膚や粘膜組織を黒ずませる。特に大陰唇、小陰唇の濃色化が顕著である。組織が黒くなるのはメラニン色素の沈着のためであり、これは摩擦による単純な刺激のほか、自慰行為による性ホルモン分泌の活性化も影響している。
性器の濃色化の程度は、元々の体質によるところもあるが、概ね自慰行為の回数に比例している。つまり自慰行為の開始年齢が早いほど、自慰行為の頻度か高いほど、より濃い色となる。特にホルモンバランスが不安定な思春期に自慰行為を行なった場合、急速に性器が濃色化していくことが分かっている。
また、自慰行為で性器への摩擦を繰り返すことにより、性器、特に小陰唇が変形する。小陰唇の形が歪になると共に、小陰唇が伸張し、ついには大陰唇からはみ出すようになる。これは排尿に深刻な影響を与え、尿が斜めに放出され、飛沫が飛び散るといった不都合を生じる。
膣内への刺激を続けた場合、膣の緊張が低下し、いわゆる「緩い」と言われる状態となる。これは膣の緊張が高い状態で摩擦すると膣粘膜の損傷が大きいため、膣の緊張を低下させ摩擦を減少させようとする人体の防御反応であろう。また、陰核(クリトリス)への刺激を続けた場合、陰核が通常よりも巨大化する傾向がある。